「有料動画配信」メディアの利用率が「パッケージ」メディアを初めて上回る
~9月1日発行「動画配信ユーザー実態調査2021」より~

定額制見放題のSVOD、都度課金型のTVOD、デジタルデータ販売のEST――いずれかの利用者1700人超を対象に、有料動画配信サービスに関する深堀調査を実施しました。
本調査は、新型コロナウィルスの感染拡大第4波が収束し、比較的小康状態にあった6月25日から7月1日までの7日間に実査を行い、今年で6回目となる定期調査です。

長引くコロナ禍による巣ごもり需要の拡大で最も恩恵を受けているSVODの利用率は、前年の21.7%から2.9ポイント増加して24.6%となりました。また、TVODも前年の10.3%から1.9ポイントの増加で12.2%に、これにESTの利用者(利用率は前年並みの8.5%)も加えた有料動画配信全体の利用率は前年から2.9ポイント増加して28.9%となりました。

こうした有料動画配信メディアの伸長に対し、既存メディアではコロナ禍により利用率を大きく落としています。映画館はコロナ禍以前の一昨年の利用率43.8%から前年は36.6%、そして今回は28.7%と一昨年から15.1ポイントの縮小、同様にレンタルの利用率は24.6%→21.5%→16.0%と推移し一昨年から8.6ポイントの縮小、セルは19.3%→17.0%→13.9%で一昨年から5.4ポイントの縮小と利用者割合は年々減少しています。また、前年までは利用率がほぼ横ばいで推移してきた有料テレビ放送についても、今回は前年の20.3%から2.3ポイント縮小し18.0%となり、コロナ禍で伸長する有料動画配信メディアの影響を受け始めている様子が窺えます。

コロナ禍で2度目となった本調査では、ほかにも市場の実態を反映した様々な調査結果を得ることができました。また、新たに立ち上がったサービス――PVOD(プレミアムVOD ※劇場同時または劇場興行終了直後の配信サービス)、ライブ課金(音楽、演劇などのライブ中継を都度課金で配信するサービス)についても、利用率、利用意向を調査・分析しています。

動画配信市場の“今”に迫る本レポートが、コンテンツ権利者、サービス事業者の皆様をはじめ、動画配信ビジネスに関わるすべての皆様にとって、経営の舵取り、マーケティングの一助となれば幸甚です。

※レポートの資料などは、「レポート」ページをご覧ください。

代表 四方田 浩一(2021.8.26)

 

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課金・広告を含めた映像メディア市場規模は、2020年に前年比94.6%の3兆3579億円と推計。
2030年には3兆3244億円、2019年比で93.7%、2020年比で99.0%と予測

~「2020-2030 映像市場10年予測 -2021上半期改訂版-」レポート発行~

昨年12月に発行した「2020-2030 映像市場10年予測」レポートを、2020年の各市場確定値をベースに予測値を修正し、<2021年上半期改訂版>として6月10日に再発行しました。

テレビ放送、映画館、パッケージソフト、動画配信を合わせたすべての映像メディア市場規模(課金と広告)は、2019年の推計3兆5479億円から、コロナ禍により2020年は前年比94.6%と5ポイント程度の縮小、3兆3579億円と推計。

今後の予測では、ワクチン接種が進むことで2021年後半から市場は回復へと向かい、動画配信メディアの伸長をドライブに2023年には3兆5836億円でピークを迎え、その後、有料テレビ放送、パッケージメディアが大幅に縮小することで市場全体では微減傾向となり、2030年には3兆3244億円、2019年比で93.7%、コロナ禍の影響を受けた2020年比で99.0%と予測しました。

広告モデルの無料映像サービス市場(地上波テレビ広告と動画広告)を除いた、課金モデルの有料映像市場の構成比は、2020年に有料テレビ放送51.0%、パッケージソフト17.7%、映画館8.7%、有料動画配信22.6%と推計。これが10年後の2030年には有料テレビ放送26.7%、パッケージソフト8.8%、映画館15.8%、有料動画配信48.7%へ構成比が推移。

有料動画配信が2020年より26.1ポイントと比率を大きく伸ばすが、このなかには今後の市場成長が見込まれる「劇場同時配信(PVOD)」と、音楽などの「ライブ課金」も含まれ、コロナ禍により、既存メディアから配信メディアへと大きくメディアがシフトすることを想定しています。

本レポートは、テレビ放送、映画興行、パッケージソフト、動画配信など、有料サービス・無料サービス(広告モデル)を含めた、すべての映像視聴メディアの2030年までの市場規模予測です。

各メディア業界が発表している2020年までの市場規模実績・推計、各省庁・調査機関・調査会社が公表している市場推計・予測値、コロナ禍の影響、弊社マーケットリサーチ結果、コンテンツ権利者、メディア・流通事業者、メディア研究者などへの取材に基づき、2030年までの詳細なシナリオを構築し、予測値を導き出しました。

また、それぞれの映像視聴メディア市場を個別に予測するとともに、有料ビジネス・無料(広告)ビジネス別、ビジネスウインドウ別、既存ビジネス・動画配信ビジネス別など、さまざまなセグメントでの集計により、映像メディア市場全体における各市場の位置づけを明確にしました。

本レポートは、映像コンテンツの権利者、映像メディア・サービス事業者、そして映像コンテンツ市場の動向にご興味、ご関心のある方々にとって市場を予測する上での一助となり、今後の事業方針策定への材料となることを目的とします。

※レポートの資料などは、「レポート」ページをご覧ください。

代表 四方田 浩一(2021.6.10)

 

 
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コロナ禍でメディアシフトの“既定路線”が前倒しした映像コンテンツ市場 ~「映像メディアユーザー実態調査2021」より~

新型コロナウィルスの新規感染者数が、三度目の拡大へと向かい始めた2020年11月5日から9日にかけて、今回で10年目となる本調査を実施しました。

映画興行では『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』が公開4週目で興行収入200億円を超えたタイミングで、他方、動画配信では、音楽ライブ興行が成立しないなかで都度課金型のライブ配信市場が俄かに立ち上がり、調査直前の11月3日には、2020年いっぱいで活動休止に入る嵐が『アラフェス 2020 at 国立競技場』をライブ配信し(実際には事前収録)、注目を集めていました。

また、コロナ禍で映画館での興行が儘ならないなか、『Fukushima50』を始めいくつかの作品がPVOD(Premium Video On Demand/劇場同時または劇場興行終了直後の1000~3000円での都度課金型の配信)サービスで提供され、9月にはディズニー社が『ムーラン』の劇場興行を見送り、ファーストウインドウをPVODとしました。

 2020年はコロナ禍により、映像メディア市場ではウインドウの再構築の動きが活発化しました。前述のライブ課金やPVODといった新たなサービスに加え、SVOD優先リリースが増加し、これに伴うレンタル市場のさらなる縮小、有料放送利用者のSVODシフトなど、コロナ以前からの“既定路線”が前倒しするかたちとなりました。

 こうした状況を踏まえ、今回の調査では、PVODの利用実績や利用意向、ライブ課金の利用実績などを設問として新たに追加し、また、コロナ禍の各メディア利用への影響について、直接設問や既存設問の回答選択肢に取り込み実態把握に努め、詳細に分析しました。 

動画配信市場の“いま”に迫る本レポートが、コンテンツ権利者、サービス事業者の皆様をはじめ、映像メディアビジネスに関わるすべての皆様にとって、マーケティングの一助となれば幸甚です。

※レポートの資料などは、「レポート」ページをご覧ください。

代表 四方田 浩一(2021.2.26)

 

 
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2030年までの映像市場を予測 ~「2020-2030 映像市場10年予測」レポートを発行~

新型コロナウィルスの感染拡大は、映像メディア市場にとってプラスマイナス両面で大きな変化をもたらしました。マイナス面では、映画館での興行市場が大打撃を受け、推計で前年比47%とかつてないほどのダメージを受けました。映画興行市場は近年、コト消費の拡大を背景に、音楽ライブなどと同様の“参加型イベント”として需要は高まり続けてきましたが、コロナ禍で一転、大幅な縮小を余儀なくされました。2021年もコロナ禍の影響は続き、V字回復には至りそうにありませんが、市場を長期的に捉えれば、コロナ終息後は2019年までの勢いを取り戻し、映画興行に対する需要は再び拡大傾向になると推察します。そのコロナ禍で映画館での興行が十分に需要を取り込めないなかで、PVOD市場(劇場同時配信または劇場興行終了直後の配信)が俄かに立ち上がりました。PVODは、コロナ以前から、映画興行への高まる需要を余すことなく消費に落とし込むための、機会損失を“キャッチアップ”する機能として市場成立が期待されていましたが、これが、映画館が機能できないなかで具現化しました。PVODは、アフターコロナの映画館興行が回復した後も、映画興行を最大化する効果的な手段として、成長を続けていくと推察します。

また、コロナ禍は、映画館からユーザーを遠ざけたという一面に加え、映画制作の遅延や延期というコンテンツ制作の面でも大きな影響を及ぼしています。制作本数の減少や映画の公開延期は、興行市場のみならず、二次ウインドウにもマイナス影響を波及します。2020年秋~冬は新作のリリースが枯渇し、“レンタル”“セル”ウインドウは大変厳しい市況となっており、この流れは少なくとも2021年前半までは続く見込みです。

一方、コロナ禍の恩恵を最も受けたのがSVODです。SVOD市場はこれまでも急速な拡大を続けてきましたが、コロナ禍により巣ごもり需要が高まると、この需要を有料映像メディアのなかでSVODが一手に引き受けるかたちとなりました。在宅時間が長期化するなかでは都度課金型のサービスよりもコスパのよい見放題型が注目を集め、同じく定額制の有料放送よりも安価であることから、この間に利用者が大幅に増加しました。

そして、SVODの急成長と並び、コロナ禍で急速に市場が立ち上がったのが音楽・演劇などのライブ課金配信です。ライブ市場自体は、本来、映像メディア市場の領域ではありませんが、コロナ禍で集客がままならないなかで都度課金型の動画配信として一気に市場が成立しました。これまでのメディア展開では、映画館興行のなかでのODS上映(ライブストリーミング)、または定額制の有料放送での扱いが主流でしたが、コロナ禍によりB to Cのライブ配信(課金)モデルが立ち上がったため、こうしたメディア展開も合わせ、その市場の成長性に期待がかかっています。この課金型のライブ配信は、アフターコロナでライブイベント市場が回復した後も、PVODと同様に、機会損失を補うサービスとして、成長を続けていくと考察します。

コロナ禍の影響で、今後、懸念されるのがウインドウの崩壊です。ごく一部のヒット作を除けば、映画興行で本来の売上を立てられる映画は少なく、その製作費回収のために、早期にSVOD市場で展開されるケースが増えてきています。この動きがウィズコロナ期間中に常態化すれば、“レンタル”“セル”ウインドウの魅力がますます損なわれ、長期的に見れば、映像メディア市場全体の市場規模を縮小させることにつながるでしょう。

上記のような背景を踏まえ、すべての映像メディア市場を対象に、2030年までの市場予測レポートをまとめ、2020年12月1日に発行しました。本レポートは、映像コンテンツの権利者、映像メディア・サービス事業者、そして映像コンテンツ市場の動向にご興味、ご関心のある方々にとって市場を予測する上での一助となり、今後の事業方針策定への材料となることを目的とします。

※レポートの資料などは、「レポート」ページをご覧ください。

代表 四方田 浩一(2020.12.1)

 

 
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2020→2024を3つのシナリオで予測~『ウィズ/アフター コロナ -映像市場予測-』レポートを発行~

映画興行、有料テレビ放送、パッケージソフト、有料動画配信の有料映像メディア市場について、コロナ禍の影響を踏まえ、2024年までの市場規模を調査・予測し、レポートを発行しました。

「ワクチン・治療薬」の利用可能時期、それに伴う一応の「国内終息」時期を想定し、映画館の「座席制限状況」、映画館へと足を運ぶ上での「心理的ポジティブ状態」、経済悪化に伴う「家計状況」などを踏まえ、【楽観】【メイン】【悲観】の3つのシナリオを構築、ウィズコロナからアフターコロナに至る各映像メディア市場を予測しています。

予測値を導き出すに際しては、各メディア業界が発表している2019年までの市場規模実績・推計、各省庁・調査機関・調査会社が公表している市場推計・予測値、弊社マーケットリサーチ結果、コンテンツ権利者、メディア・流通事業者、メディア研究者などへの取材を参考にしています。

また、コロナ禍の影響とは別に、拡大・縮小の要素がそれぞれの市場にあり、特に、すでに顕在化し、今後の進展次第では市場の再構築にさえつながるビジネス・ウインドウの変化については、予測シナリオでは十分に考慮しました。

本レポートは、新規感染者が急増し始めた4月上旬に着手し、そして、一旦は落ち着くかのように見えた感染者数が再び増加へと向かいつつある6月28日までの情報をもって、市場予測としました。

今後のグローバルでの感染者数の増加やウイルスの変異などによるさらなる感染拡大など、本予測を超えて状況が悪化する可能性もありますが、あくまでも2020年6月28日現在の市場予測レポートとして発行します。

映像メディア市場に関わる企業の皆さまにとって、ウィズ/アフターコロナでの中期経営計画策定などに、ご活用いただければ幸甚です。

※レポートの資料などは、「レポート」ページをご覧ください。

代表 四方田 浩一(2020.7.1)

 

 
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2030年までの映像市場を予測 ~「2030 -映像市場長期予測-」レポートを発行~

テレビ放送、映画興行、パッケージソフト、動画配信など、有料サービス・無料サービス(広告モデル)を含めた、すべての映像視聴メディアの2030年までの市場規模を予測、レポートを発行しました。

各メディア業界が発表している2018年までの市場規模実績・推計、各省庁・調査機関・調査会社が公表している市場推計・予測値、弊社マーケットリサーチ結果、コンテンツ権利者、メディア・流通事業者、メディア研究者などへの取材に基づき、2030年までの詳細なシナリオを構築し、予測値を導き出しました。

また、それぞれの映像視聴メディア市場を個別に予測するとともに、有料ビジネス・無料(広告)ビジネス別、ビジネスウインドウ別、既存ビジネス・動画配信ビジネス別など、さまざまなセグメントでの集計により、映像メディア市場全体における各市場の位置づけを明確にしました。

このなかには現時点で日本国内では顕在化していない(または活性化していない)サービスも含まれ、今後、映像市場で起こり得る変化を考察し、予測値として反映しています。

本レポートは、映像コンテンツの権利者、映像メディア・サービス事業者、そして映像コンテンツ市場の動向にご興味、ご関心のある方々にとって市場を予測する上での一助となり、今後の事業方針策定への材料となることを目的とします。映像コンテンツ・メディア市場に関わる方々を始め、多くの皆さんにご活用いただけますと幸甚です。

※レポートの資料などは、「レポート」ページをご覧ください。

代表 四方田 浩一(2019.11.20)

 

 
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大きな転換期を迎えた映像コンテンツ市場 ~「映像メディアユーザー実態調査2019」より~

Netflixとディズニーのグローバルな動画配信市場の覇権争いが日本において火蓋が切られ、一方、Appleの動画配信サービスに新たな動きが出てくるなど、映像コンテンツ市場は2019年、大きな転換期を迎えることになりそうです。

近年、映画興行市場では、『君の名は。』『ボヘミアンラプソディー』を始め、公開前の予想を遥かに上回るメガヒット作が出現するようになり、その背景にはSNS(特にTwitter)での情報拡散効果の高まりが語られています。SNSにより増大した情報の大海原のなかで、トレンドの上位に挙がった作品はどこまでも拡散され視聴意欲が高まり、一方で、トレンド上位に入らない作品は情報としての鮮度が急速に低下していきます。

そんな<SNS全盛時代に映像コンテンツ流通はどうあるべきか>をテーマに抱えながら、8年目となる「映像メディアユーザー実態調査」レポートを今年も発行しました。

本調査レポートでは、各映像視聴メディアの利用率、利用数、利用コンテンツジャンル、利用サービス、利用数の変化、利用増減理由などの基本的な項目に加え、変化の激しい動画配信サービスに関する項目では、レンタル型都度課金のTVOD、定額型見放題のSVOD、セル(販売)型のESTに分け、スマホ・PC・テレビなどデバイス利用、テレビ番組の見逃し配信、利用のきっかけ、利用サービスの選択理由など、ユーザーの利用動向を多角的に分析しています。また、経年データも充実しており、7ヵ年にわたる映像コンテンツ市場の流れも分析しています。

各メディアの利用率では、「無料テレビ放送」(平日82.4%)、「映画館」(43.5%)、「DVD・ブルーレイのレンタル」(25.9%)が前年より値を落とし、「DVD・ブルーレイの購入」(17.7%)、「有料テレビ放送」(16.2%)はほぼ前年並み、「無料動画」(57.1%)、「有料動画配信」(17.7%)が前年から値を伸ばしています。

無料動画のなかで、特に前年からの伸びが大きかったのがTVerで、テレビ番組の見逃し配信の利用は着実に進んでいます。また、今回から選択肢に加わったTikTokも10代の利用率が他の世代と比べ著しく高く、全体ではLINE LIVEを超える利用割合となりました。

一方、有料動画配信の利用を牽引するのはやはりAmazonプライム・ビデオで、動画配信の有料利用者のうち48.2%が利用しており、他のサービスに比べ群を抜いて高い利用率となりました。Amazonに続く他のサービスも着実に利用者を増やしてはいますが、Amazonとの利用率の差は年々広がっています。

映像コンテンツ視聴に関わる様々な利用動向データも捕捉しています。利用拡大の著しいSNSや映像以外のコンテンツでは音楽配信や電子書籍、オンラインゲームの利用、ほか、テレビへのネット接続状況や家庭内でのWi-Fi利用など、映像コンテンツ視聴に直接的、間接的に影響を及ぼす要素を考え得る限りで網羅しています。

本レポートは、変化の激しい映像コンテンツ市場の現状に出来得る限りで近づき、その動向を読み解くことを目的としています。映像コンテンツ・メディア市場に関わる方々を始め、多くの皆さんにご活用いただけますと幸甚です。

※レポートの資料などは、「レポート」ページをご覧ください。

代表 四方田 浩一(2019.3.15)

 

 
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有料動画配信サービスの利用率は16.8%に ~「動画配信ユーザー実態調査2018」より~

定額制見放題のSVOD、都度課金型のTVOD、デジタルデータ販売のEST――いずれかの利用者1000人超を対象に、有料動画配信サービスに関する深堀調査を今年も6月に実施しました。

SVODの利用率は前年の10.6%から3ポイントほど伸長して13.8%に、一方のTVODは前年の4.8%から2ポイントほど伸長し7%となり、両サービスを合わせたVODの利用率は前年の11.4%から3.7ポイント伸びて15%に到達しました。これにESTの利用者(5.4%)も加えた有料動画配信全体の利用率は16.8%(前年14.0%)となり、有料放送の20.1%、パッケージソフトのセル18.7%に迫る値となりました。

しかしながら、動画配信サービス自体に対する認知・理解は未だ低く、「知っている」「何となく知っている」「知らない」の3択による回答では、SVODは「知っている」が36.4%で過去2回の調査と比べ順調に伸びてきていますが、TVOD、ESTは24%ほどで、3ヵ年でほとんど認知・理解が進んでいません。

また、各サービスの利用に目を向ければ、Amazonプライムビデオの利用率が本調査の前年(6月)との比較では6.7ポイント伸びているものの、前年11月調査の『映像メディアユーザー実態調査』での結果からはほとんど値が変わらず、これまでのような高い伸び率は見られませんでした。

こうした結果も踏まえ、サービス利用者が何に満足し、何に不満を感じているのかなど、詳細に分析をいたしました。コンテンツ権利者の皆様、サービス事業者の皆様をはじめ、動画配信市場に関わるすべての皆様にとって、マーケティングの一助となれば幸甚です。

※レポートの資料などは、「レポート」ページをご覧ください。

代表 四方田 浩一(2018.9.5)

 

 
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動画配信市場に新たな兆し ~「映像メディアユーザー実態調査2017」より~

2015年の秋に鳴り物入りで登場したふたつの定額制見放題サービス、Netflix(ネットフリックス)とAmazon(アマゾン)プライム・ビデオ。2016年の動画配信市場は、この2サービスの動向に注目が集まり、市場の急伸に期待が高まった――。

しかし、終わってみると、市場は思いの外急速には伸びず、坂道を転げ落ちるように縮小し続けるDVDレンタルの落ち幅を埋めるには程遠い状況にある。

弊社が株式会社フィールドワークスとともに調査したレポート『映像メディアユーザー実態調査2017』(2017年3月発行)では、有料の動画配信(ビデオ・オン・デマンド)の利用率は9・3%であり、前年の8・3%からわずかに1ポイントしか伸びていない。一方、DVDレンタルは前年から4・5ポイントと大幅に利用率を下げたが、それでも全体の28・9%の人が今でもレンタル店に通っている。有料の動画配信利用者は、その三分の一にも満たないのである。

有料動画配信の内訳を見ると、Amazonプライム・ビデオは有料動画配信利用者の25・8%が利用経験があり、「最も利用者の多い」サービスとなった。前年の7・4%から実に18・4ポイントの伸びで、なるほど、Amazonプライム・ビデオにおいては明らかに急伸した、と言える。これを追う形となったHuluは前年まで断トツで利用者の多かったサービスで、22・4%とこの一年で微増した。しかし、このふたつに続くほとんどのサービスが前年から利用者を減らしており(Netflixは2・2%から5・6%に伸長)、結果としては、有料動画配信の既存利用者がAmazonプライム・ビデオに利用サービスを切り替えた一年だったと言え、まったくの新規利用者が大幅に伸びたとは言い難い状況だ。

話題を集めたAmazonプライム・ビデオ、Netflixのほかにも、既存サービスのHulu(フールー)、dTV(ディーティービー)などがしのぎを削る定額制見放題サービスに加えて、2016年は新たな形のサービスが動画配信市場で注目を集めた。

 アメーバブログを展開するサイバーエージェントとテレビ朝日が手掛けるAbemaTV(アベマティービー)は、広告モデルの無料インターネットテレビ局。約30のチャンネルで多彩なジャンルのコンテンツを24時間リニアで“放送”し、生放送のバラエティ番組や、人気アーティストの生中継コンテンツなどで人気を博す。昨年4月に開局し、2017年1月時点でアプリのダウンロードは1300万を突破した急成長のサービスだ。

また、スポーツの分野では、Jリーグ全試合の放映権を、10年間、約2100億円で獲得したDAZNが昨年8月にサービス開始。
Jリーグのほかにも、欧州のサッカー、バレーボールのVリーグなど、国内外で年間6000試合以上のスポーツが月額1750円で見放題という強力なサービスだ。そして、このサービスを今年2月15日からはドコモユーザーに向け、月額980円で展開する。Jリーグ開幕に際してサーバーダウンなどの問題も起きたが、今後、どこまで利用者を獲得するかが注目されている。

総務省は、2020年を目途に、NHK番組のインターネット同時配信の計画を発表した。こうした流れのなかで、動画配信市場は今後、「オンデマンド」に加えて「リニア」が台頭し、テレビ放送との融合が進むことになる。動画配信市場において、映画や映像コンテンツを気軽に楽しめ、かつてのビデオレンタルのような市場が構築されるのか否か、2017年はそうした将来像が見え始める年になりそうだ。

代表 四方田 浩一(2017.3.21)

 

 
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<動画配信元年>の年に ~設立2年目にあたり~

 既存サービスを維持しつつ、新たなサービスを伸ばす可能性

日本テレビのメディア力を背景にした「Hulu」の躍進、docomo「dTV」のサービス拡充とUIの劇的な刷新、世界最強のサービス「Netflix」の日本上陸、EC市場の覇者「Amazon」のビデオサービス本格化など、2015年は定額制の動画配信サービスがメディアを大きく賑わせ、ホームエンタテインメントとしての動画コンテンツ視聴者の注目を集めました。広義でいう「ビデオ・オン・デマンド」サービスは、今年、<元年>を迎えたといっても過言ではないでしょう。

では、動画配信市場がこのまま一気に立ちあがるかといえば、そうとも言えないようです。レンタル市場のようにサービスが大衆化するためにはテレビモニターでの視聴環境が必須となりますが、そのテレビへのネット接続率はいまだ3割に届きません。また、携帯端末とテレビをつなぐストリーミングデバイスや、専用のセットトップボックスの利用にはそれなりのリテラシーも必要で、広く普及する段階にはありません。結果、動画配信視聴はいまだPC利用が主流です。

各動画配信事業者では、コンテンツの拡充や視聴デバイスの拡張、そして使い勝手の良いUIやデータベースのレコメンド機能の充実など、サービス全般の向上へ日々努力を重ねています。もっとも大きな課題は、テレビメーカーの動画配信サービスへの優先順位の低さにあるようです。これは4K放送への対応が最優先事項であることに加え、既存の放送局への配慮もあります。例えば、リモコンでスイッチを入れると必ずメニュー画面(放送、動画配信などが並ぶ)が立ちあがるような設定であれば、動画配信は大きく利用率を伸ばすことでしょう。テレビモニターをテレビ放送専用のデバイスとして位置付けるのは、すでに利用者のニーズに合致していないように思います。

また、レンタル、販売とパッケージソフト市場の縮小傾向も止まる気配を見せません。レンタルに関していえば、採算を度外視した過度な料金競争が長らく続いたことで、結果、全国で500軒以上の店舗が撤退し、これによりその地域の映像視聴需要が損なわれました。もちろん、そのうちの何%かは、少し遠くのレンタル店を利用し、またはペイチャンネルと契約し、あるいは動画配信サービスを利用しはじめたはずです。しかし、市場が損なわれた規模ほどには代替サービスの市場は伸びていません。果たして有料で動画コンテンツを視聴していた人たちはどこへ行ってしまったのでしょうか。

映画館利用は他のサービスとは質が異なり、3D、4D上映やライブストリーミング上映に活路を見出し、スポーツ観戦や音楽ライブ鑑賞のような「イベント」としてユーザーのニーズに応えています。一方、有料放送市場はこの数年踊場に立たされています。そして今後は、動画配信サービスとの料金比較という厳しい局面を迎えようとしています。音楽、スポーツなどのプレミアムコンテンツを提供できるチャンネル事業者以外は、長くビジネスを続けることは難しいのでは、との見方も強いです。

こうした各種映像視聴サービス市場でいかに最大限売上を作っていくか、映像コンテンツの権利者にとっても舵取りが難しい時期です。ただ、コンテンツのウインドウ期間(どのメディアにいつ出すか)や料金(売価が反映される意味での価格コントロール)を決められるのは権利者でしかありません。各サービス市場をバランス良く、または極端な新戦略によって、既存サービスを維持し新たなサービスを伸ばすことも不可能ではないと考えます。

二年目を迎えて、私たち映像メディア総合研究所では、これまで以上に市場に寄り添った調査研究を行い、映像産業の皆さまにご提案させていただく所存です。

代表 四方田 浩一(2015.11.7)

 

 
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■映像メディア総合研究所、設立にあたり

 2010年代半ば、映像視聴サービス市場は踊場に立たされています。

民間地上波テレビ放送は2009年以降5年連続の2兆円割れで、放送広告以外の収入源を模索し続けています。また、映画興行は2001年から続く2000億円規模を維持するものの、その内訳は当たる(回収できる)作品と当たらない(回収できない)作品の二極化、そしてシネマコンプレックスのスクリーンを埋めつくす一部の当たる作品により他の作品の上映回数が減り、作品の多様化がますます損なわれています。BS、CS、ケーブルなどの有料放送は、2011年7月の地デジ移行を前後し契約件数を伸ばしましたが、2013年、2014年とその反動で微減傾向にあります。そして、DVD、ブルーレイ・ディスクなどパッケージソフトは、2005年から比べ、レンタルが約1400億円の減少、販売が約700億円の減少と市場が急速に縮小しています。

 一方、新たなマーケットとして期待された動画配信市場(ビデオ・オン・デマンドやデジタルデータ販売)ですが、サービスが開始されて10年以上が経ち、ようやく1000億円規模へと成長しました。しかし、既存のサービスに比べまだまだ認知度が低く利用率が限定され、さらなる市場拡大のためには数々の障壁を乗り越える必要があります。

 こうした映像視聴サービス市場の現況に対し、多くの権利者や事業者の方々が閉塞感を感じています。映像産業に限らず、ネット社会が既存のマーケットの在り方を大きく変えていく中、映像視聴サービスの在り方も変化していかなければなりません。それは、業界の常識を覆し、一時的に大きな痛みを伴うことかもしれません。しかし、それを乗り越えていかなければ映像視聴市場はますます縮小し、産業面に加え、文化として映像が果たす役割自体も希薄になっていくでしょう。

 私たち映像メディア総合研究所では、こうした現況を踏まえて、それぞれの課題に仮説を立て、調査・分析し、映像産業の皆さまにご提案をさせていただきます。まずは大変小さな組織からのスタートですが、映像文化・産業の発展に少しでも貢献できますよう、業務にまい進する所存です。

代表 四方田 浩一(2014.11.7)